3D CADを勉強中の方必見!初心者がつまずきがちなポイントとは?
3D CADはとても便利である一方、専門的な知識が必要なツール。早く使いこなせるようにと、必死で勉強中だというもいらっしゃると思います。今回はそんな方のために、初心者が3D CADを操作する上でつまずきやすいポイントを解説します。
目次
フィーチャーの親子関係
はじめに紹介するのは、パラメトリック機能を持つ3D CADで重要となる「フィーチャーの親子関係」についてです。フィーチャーの親子関係を考えずに作成すると、形状を変更した際にモデルが大きく崩れる危険があります。
フィーチャーの親子関係とは?
主流の3D CADでは、「フィーチャー」という単位形状を積み重ねることでモデリングを行います。例えば、平らな板のようなフィーチャーを作成し、その板の上に円柱のフィーチャーを置くと両者に親子関係が発生します。この場合、「平らな板」が親で、「円柱」が子となるわけです。
親が削除されると子も削除される
親子関係の特徴は、「親が削除されると子も同時に削除される」ということです。地面の上に建っている建物は、地面がなくなると建っていられません。そういうイメージで捉えてください。親子関係では、「子のフィーチャーは親に依存している」とも表現されます。
相対位置なら一緒に移動してしまう
今度は先ほどの円柱を軸にして、円柱から同じ距離となるよう左右に立方体を配置してみましょう。今度は円柱が親となり、2つの立方体はそれぞれ子となります。一見するとそれぞれ独立して建っているように見えますが、円柱を移動させると、立方体もそれぞれ同じように移動してしまうのです。
親子関係のポイント
フィーチャーの親子関係で失敗しないためのポイントは、「数珠つなぎにしない」ことです。ひとつのフィーチャーを作り、それを元に次のフィーチャーを作り、またそれを元に次のフィーチャーを作るというような作り方はやめましょう。次から次へと積み木を積み重ねると、下の方の積み木を変更した時に全体が崩れてしまいます。フィーチャー作成の際には、できるだけベースとなる基本形状を参照してください。また、点よりも線を、線よりも面を参照するのも上手な親子関係作成のコツです。
形状の作成順序
パラメトリック機能を持つCADでは、フィーチャーの親子関係と同様に、モデリング時には「形状の作成順序」にも気をつけなければいけません。作成順序が悪いと自由に変形できなくなってしまう可能性があります。
序盤では全体像
序盤で作成するのは、基本形状となる「全体像」です。大きな枠組みを作ってからより細かい形状の作成に移ります。
中盤では中身
全体像が作成できたら、中身を作成していきます。部品を例にすると、「応力緩和の曲げ部分」や「ネジ用の穴」などです。
終盤では外形を仕上げる
終盤では、仕上げとして外形を整えます。部品の場合、「丸み付け」や「面取り」などが代表的です。
モデリング精度(トレランス)
モデリング精度とは、「座標値の精度」のことです。ひとつの点から別の点へ線を引く際にも、それぞれの点の座標情報が必要となることが分かると思います。3D CADでは、コンピューター上でさまざまな計算をしてモデリングが行われています。
割り切れない数値
3D CADでは、球体や円柱など、複雑な形のものがたくさん作られます。しかし、このような形状は正確に数値で表すことができません。なぜなら、割り切れない数値が存在するからです。身近な「円周率」もそのひとつだといえます。
モデリング精度は「誤差を許す範囲」
割り切れない数値が出た場合、どこかで妥協しなければなりません。そうすると、少なからず「誤差」が生まれることが分かると思います。この誤差をどこまで許すかが、「モデリング精度」なのです。
人間の目には違和感がない
ただ、3D CADでモデリングをする上で「ずれている」と感じることはほとんどありません。CADによって精度は異なりますが、人間の目には違和感のないレベルだからです。
絶対精度と相対精度
モデリング精度には、「絶対精度」と「相対精度」の2種類が存在します。絶対精度とは、「モデルサイズに関係なく最小距離が決まっている」もの。一方相対精度とは、「モデルサイズに応じて最小距離が変化する」ものです。
モデリング精度の違いに注意
3D CADでは、異なる種類のCAD間でデータのやり取りをすることもよくあります。その際、片方が「絶対精度」で、もう片方が「相対精度」であった場合には注意してください。形状が成立しないといった問題が発生することがあるのです。
ミスを繰り返さないために知識を蓄えよう
仕事でミスをすると落ち込んでしまいますよね。しかし、人間ですからミスをするのは当然です。大切なのは、「同じミスをしないためにどうすればいいか」を考えること。そのためにしっかり勉強し、少しでも多く3DCADの知識を蓄え、実務経験を重ねてください。地道な努力を続けていけば、必ずスキルアップにつながります。
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