3D PDFとは?作成方法や閲覧方法を紹介!

3D PDFとは?作成方法や閲覧方法を紹介!

3D PDFは従来のPDFとは違い、3D CADなどで作成した3Dデータを組み込んだPDFファイルのことを言います。3D PDFは3D CADなどのソフトが利用できない環境でも3Dデータを閲覧でき、プレゼン用のPDF資料に3Dモデルを表示させることも可能です。3Dで視覚的かつ容易に情報を伝えることができるため、さまざまな業界での活用が広がっています。

本記事では、3D PDFの概念から作成方法や閲覧方法などを解説していきます。

3D PDFとは

3D PDFとは、3Dデータを組み込んでPDF化した資料のことを指します。通常のPDFはテキストや画像、イラストを中心に情報を伝えます。一方で、3D PDFは3Dデータを含むことで、より視覚的な情報を提供可能です。

3D PDFの作成方法とは

3D CADなどで作成した3DデータをPDFに変換する場合は、データ変換に対応できるコンバータ(異なる形式のものを適切に変換するアプリケーション)を使用します。
無料のソフトでも3D PDFの作成は可能ですが、色や履歴の表示など詳細情報をデータに盛り込む場合には、有料のソフトを使用したほうが便利です。

3D PDFを作成するのに使われる代表的なソフトは、編集機能が備わった「Adobe Acrobat Pro」を始め、CADソフト「SOLIDWORKS」「AutoCAD」、フリーソフトであれば「Sketchfab」「Bentley View V8i」があります。

3D CADデータをPDF化する方法については、「3D CADの3DデータはPDF化できる?PDFに変換するメリットや方法、3DのPDFを開く方法について解説」で解説しています。

PDF内に取り込める3Dデータの形式

ここでは、PDFに取り込める3Dデータ形式を紹介します。

U3D(Universal 3D)

U3Dは、ECMA標準のファイル保存形式で、3Dグラフィックを表現する際に使用されます。U3D形式のデータは、Adobe Acrobatや他のPDFビューアで簡単に表示・操作することができます。

PRC(Product Representation Compact )

PRCは、ISO標準のファイル保存形式で、3Dデータを高い圧縮率で保存できます。そのため、特に複雑なモデルや大規模なアセンブリを扱う際に適しています。
Adobe Acrobatを始めとする、PDFビューアでスムーズな表示や操作が可能です。

3D PDFを閲覧するための方法とは

3D PDFを閲覧する最も一般的な方法は、Adobe Acrobat Readerを使用することです。このソフトは、PDFファイルの標準的な閲覧機能に加えて、3Dデータの表示や操作もサポートしています。

さらに、ブラウザ上で3D PDFを表示させるための機能も存在するため、インターネットを通じて簡単に3D PDFを共有し閲覧することが可能です。

3D PDFのメリットとは

ここでは、3D PDFのメリットを紹介します。

情報が正確に伝わる

3D PDFは、視覚的に情報を伝えることができるため、複雑なデザインや構造が理解しやすくなります。特に、設計や製造業界では、3Dモデルを使用することで部品の配置や細かな動作など、直感的な確認が可能です。
これにより、誤解やミスを減らし、コミュニケーション効率を向上させることができます。

誰でもどこでも閲覧することが可能

3D PDFは、特別なソフトやツールを必要とせず、一般的なPDFリーダーで閲覧できます。そのため、誰でも簡単にアクセスできます。
つまり特定のソフトウェアやハードウェアに依存せずに、情報を共有することが可能だということです。

データ管理、共有の手間が減る

3D PDFを活用することで、データ管理や共有の手間が大幅に軽減されます。PDF形式で保存されるため、ファイルサイズがコンパクトになり、メール添付やクラウドストレージでの共有が容易です。
また、複数のファイルを一つのPDFにまとめることができるため、プロジェクトの全体像を一目で把握できます。結果的に情報の整理や共有がスムーズになり、業務効率が向上するでしょう。

SketchUpで作成したモデルを3D PDFで保存

3D CADや3Dモデリングソフトで作成した3Dモデルを3D PDFで保存することができます。
ここでは、3Dモデリングソフト「SketchUp」で作成した3Dモデルのデータを3D PDF化する流れを紹介します。

まず、SketchUpで3Dモデルを作成した後、専用のプラグインを使用して3D PDF形式に変換します。このデータをAdobe Acrobat ReaderなどのPDFリーダーで表示・確認することで、3Dモデルに対して回転やズームなどの操作を行うことができます。
SketchUpと3D PDFの組み合わせは、設計プロセスの効率を上げ、クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを図りやすくなります。

SketchUpで作成した3Dデータは、SimLab 3D PDF ExporterでPDF化できるため、ぜひ活用してみてください。
SimLab 3D PDF Exporterの機能に関して詳細は「SimLab 3D PDF Exporter製品の機能紹介」で解説しています。

>SimLab 3D PDF Exporter の製品情報はこちら

SketchUpの機能については「SketchUpで3Dモデリング!機能やおすすめポイント、導入方法などを解説!」を参考にしてみてください。

まとめ 3D PDFで共有や確認のストレスを減らそう

3D PDFは、情報共有や確認作業のストレスを大幅に軽減するツールとして注目されています。従来の2D図面や静止画像では伝えきれない複雑な情報を、3Dモデルを通じて直感的に理解することができます。

また、3D PDFは一般的なPDFリーダーで閲覧できるため、特定のソフトを必要とせず、誰でも簡単にアクセス可能です。

3DデータのPDF化を活用し、さまざまな業務の効率化を図りましょう。

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