3D CADソフトの選び方とは?種類やポイント・導入後によくある失敗例も紹介!
3D CADソフトは製品設計や建築設計、機械工学などさまざまな分野で欠かせないツールです。しかし、数多くのソフトが存在するため、自分に最適なものを選ぶのは難しいです。
そのため本記事では、3D CADソフトの基本的な種類や選び方のポイントを解説し、導入後によく起こる失敗例まで紹介します。ぜひ最適な3D CADソフト選びの参考にしてください。
目次
そもそも3D CADとは?
3D CADとは、三次元コンピュータ支援設計(3D Computer-Aided Design)の略で、コンピュータを使って三次元のモデルを作成・編集するためのソフトウェアです。
3D CADは、製品設計や建築設計、機械工学など多岐にわたる分野で利用されており、設計の効率化や精度向上に大きく貢献します。従来の2D CADと異なり、3D CADでは立体的な設計を行えるため、よりリアルなシミュレーションや解析が可能です。
3D CADについて詳細は「3D CADとは?利用するメリットやその種類、モデリング方法について解説」の記事を参考にしてください。
3D CADソフトの種類
3D CADソフトは、その機能や価格帯に応じて大きく3つのカテゴリに分けられます。
- ハイエンド
- ローエンド
- ミドルレンジ
それぞれのカテゴリには特有の特徴があり、利用目的や予算に応じて最適なソフトを選ぶことが重要です。ここでは3つのカテゴリについて詳しく解説します。
ハイエンド
ハイエンド3D CADソフトは、プロフェッショナル向けの高機能なソフトウェアです。自動車や航空機、工業製品の設計など、非常に複雑で精密なモデルを作成するために使用されます。
代表的なソフトには、CATIAやNXなどがあります。これらのソフトは高価ですが、その分多くの機能を備えており、精度の高い設計が可能です。また、大規模なプロジェクトやチームでの共同作業にも適しています。
ローエンド
ローエンド3D CADソフトは、初心者や個人ユーザー、中小企業向けの手頃な価格のソフトウェアです。基本的な3Dモデリング機能を備えており、簡単な設計やプロトタイプ作成に適しています。
代表的なソフトには、ZW3DやThinkDesignなどがあります。これらのソフトは無料または低価格で提供されており、操作も比較的簡単です。そのため、初めて3D CADを使う方や予算が限られているプロジェクトに最適です。
ミドルレンジ
ミドルレンジ3D CADソフトは、プロフェッショナルな設計者や中規模企業向けに設計されています。これらのソフトはローエンドソフトよりも高度な機能で、より複雑な設計やシミュレーションが可能です。
価格も中程度でコストパフォーマンスに優れています。代表的なソフトには、SOLIDWORKSやAutoCADなどです。これらのソフトは、使いやすさと機能のバランスが取れており、幅広いユーザーに支持されています。
3D CADの種類やそれぞれの特徴など、詳しくは「3D CADには種類がある!主な用途や3D CADを利用するメリット、選定ポイントを解説」の記事を参考にしてください。
3D CADソフトを選ぶ際の4つのポイント
3D CADソフトを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。以下に特に注目すべき4つのポイントを紹介します。
利用目的と使いたい機能で選ぶ
製品設計、建築設計、機械工学など用途によって必要な機能が異なります。
例えば、建築設計には建物の構造やインテリアデザインに必要な機能が求められますし、製造設計では精密なパーツの設計やシミュレーション機能が重要です。
自分の利用目的に合ったソフトを選び、効率的な作業を実現しましょう。
操作が簡単なソフトを選ぶ
3D CADソフトを選ぶ際には、操作性も重要なポイントです。特に初心者や頻繁にソフトを使用しないユーザーにとっては、直感的に操作できるソフトがおすすめです。
複雑な操作を求められるソフトは学習に時間やコストがかかるため、作業効率が低下する可能性があります。例えば、SketchUpは3Dモデリングソフトですが、シンプルなインターフェースと直感的な操作性が可能で、初心者でも短期間で操作をマスターできます。
サポート体制の充実度で選ぶ
3D CADソフトを選ぶ際には、サポート体制の充実度も重要です。特に、初めて3D CADソフトを使用する場合や複雑なプロジェクトに取り組む際は、サポートがしっかりしているソフトを選びましょう。
24時間対応のカスタマーサポートや豊富な解説コンテンツ(チュートリアル、フォーラム、FAQなど)が提供されているソフトはおすすめです。問題が発生した際に迅速に解決できるため、作業の中断を最小限に抑えられます。
3D CADソフト導入後によく起こる失敗例
3D CADソフトを導入する際には、しっかりとした計画と準備が必要です。しかし、実際には多くの企業や個人が導入後にさまざまな問題に直面しています。ここでは、よくある失敗例をいくつか紹介します。
目的が曖昧な状態で導入し活用しなくなる
3D CADソフトを導入する前に、具体的な利用目的や目標を明確にしておくことが重要です。目的が曖昧なまま導入すると、結局どのように活用すればよいのかわからずにソフトが放置されがちです。
例えば、新製品の設計に使うのか既存製品の改良に使うのか、あるいは教育目的で使うのかなどを明確にしておくことで、導入後の活用がスムーズになります。
複雑な操作を覚えるのに苦戦する
3D CADソフトは高機能であるがゆえに、操作が複雑であることが否めません。特に初心者や初めて3D CADを使う人にとっては、基本的な操作を覚えるだけでも一苦労です。
例えば、3Dモデルの作成や編集、レンダリングなどの機能を使いこなすには、専門的な知識とスキルが必要です。そのため、操作方法を学ぶための時間と労力がかかり、結果として作業効率が低下します。
操作が難しいと感じた場合には、オンラインチュートリアルやトレーニングプログラムを活用することをおすすめします。
ハイスペックのソフトを導入したがほとんどの機能を使わない
多機能な3D CADソフトを導入することは一見魅力的に思えますが、実際にはその多くの機能を使いこなせないケースが多くみられます。とくに中小企業や個人ユーザーにとっては、必要最低限の機能だけで十分といえます。
高価なハイスペックソフトを導入しても日常的に使うのは基本的な機能のみでは、結果としてコストパフォーマンスが悪くなります。導入前に自分の利用目的や必要な機能を明確にして、それに見合ったソフトを選ぶことが重要です。
直感的な操作で3Dモデルを作成できるSketchUpがおすすめ
3D CADソフトの性能までは及びませんが、SketchUpは直感的な操作性が特徴の3Dモデリングソフトです。複雑なコマンドを覚える必要がなく、マウス操作で簡単に3Dモデルを作成できます。そのため、初めて3Dモデル作成のソフトを使う人でも短時間で基本的な操作を習得できて、導入後すぐに実務に活用可能です。
また、SketchUpは豊富なプラグインや拡張機能を備えており、自分のニーズに合わせて機能を追加できます。建築設計やインテリアデザイン、建設土木など、特定の分野に特化した利用も可能なため、より効率的に作業を進められます。
初心者にもプロフェッショナルにも選ばれる3DモデリングソフトSketchUpについては、以下よりご確認ください。
まとめ・目的や用途にあわせて使いやすいソフトを選ぼう
3D CADソフトを選ぶ際には、まず自分の目的や用途を明確にすることが重要です。目的や用途に応じて最適な3D CADソフトを選ぶことで、作業効率を大幅に向上できます。
今回紹介した選び方のポイントや失敗例をもとに、自分に合ったソフトを見つけましょう。
-
3Dプリンターとは?主な造形方式や使用手順、3Dデータの作り…
2024.12.27
3Dプリンターは、さまざまな形状の3Dモデルを作成できる、近年注目を集める技術の一つです。製造業をはじめ、医療や
-
建築アプリおすすめ9選!用途別の機能や導入メリットを紹介…
2024.12.26
建設業界で普及している「建築アプリ」。建築アプリを活用することで、さまざまな業務が効率化し、さらに業務の精度も上
-
3Dスキャナとは?主な活用シーンと具体的な選び方を解説!…
2024.12.25
3Dスキャナは対象物の形状や寸法をデジタルデータとして取り込むための機器です。製造業から医療、建築、文化財の保存
<株式会社アルファコックス>
建築・土木・インテリア関連CG・
3Dモデルソフトウェアの販売・サポート