建築プレゼンテーションボードの作り方とは?作成手順やポイント・参考サイトを紹介

建築プレゼンテーションボードの作り方とは

建築プレゼンテーションボードは、写真やイラストを用いて建築プロジェクトの設計意図およびコンセプトを、視覚的に伝える方法です。とくに、コンペやプレゼンテーションでは、クライアントへ提案イメージを伝えやすく商談を進める上で役に立ちます。
本記事では、建築プレゼンテーションボードの作り方やポイント、参考サイトなどを解説していきます。

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建築プレゼンテーションボードとは

建築プレゼンテーションボードとは、建物のデザインやコンセプトイメージをわかりやすく伝える表現方法のひとつです。プレゼンボードやプレボとも呼ばれます。

具体的には、建物の図面や内観、外観のパース、模型写真などを説明付きで掲載します。

建築プレゼンテーションボードは、ただの情報の羅列ではなく、ストーリー性を持たせることが重要です。設計の背景やコンセプト、設計プロセス、最終デザインの魅力を一貫したテーマで表現して、ユーザーやクライアントに視覚的な印象を与えます。

建築プレゼンテーションボードの作り方

ここでは、建築プレゼンテーションボードの作成手順を紹介します。

1. プレゼンのテーマ・コンセプトを決める

プレゼンテーションでは、自分のアピールポイントを訴えるのではなく、提案相手のクライアントが魅力を感じるメリットを伝えることが大切です。
そのため、魅力的なプレゼンテーションボードを作成するには、まずこれは「誰のために、何を、どのように伝えるのか」の目的を明確にしてからテーマやコンセプトを決めましょう。

2. ターゲット選定・リサーチ

次にターゲット選定とそのリサーチをします。ターゲットを選定する際は、具体的なターゲットに絞るため「ペルソナ設定」をおこないましょう。
例えば、30代男性、社会人、年収〇〇〇万、独身か既婚者か、趣味や休日の過ごし方など。どんな人物か、属性や価値観などを細分化してペルソナ設定をします。
このペルソナ設定をすることで、プレゼンテーションボードの軸ができて、ターゲットに刺さりやすい内容に仕上がります。

3. 構成を作る

ターゲットの情報収集をしたら、プレゼンテーションの構成作業に進みましょう。構成を組み立てる際は、PREP法に当てはめます。
PREP法とは、結論(Point)・理由(Reason)・具体例(Example)・結論(Point)の順に話を展開する構成方法のことです。
リサーチした情報を綺麗に整理することで、読み手にとって見やすい建築プレゼンテーションボードになります。

4. 作成するツールを選定して建築プレゼンテーションボードを作成

建築プレゼンテーションボードの作成には、以下のようなツールを利用できます。

  • ・Microsoft PowerPoint
  • ・Adobe Illustrator
  • ・Adobe Photoshop
  • ・Auto CAD
  • ・SketchUp

Microsoft PowerPointはプレゼンテーション資料の作成・デザインを可能にするソフトです。Adobe Illustratorはグラフィックの作成、Adebe Photoshopは画像を編集することができるソフトですが、建築プレゼンテーションボードの作成にも応用することができます。
建築のプレゼンボードには、これから建つ建物の図面や3Dイメージが必要な場面もありますが、AutoCADやSketchUpを使用することで、これらのイメージを作成することが可能です。
選定したツールを使って、集めた情報を効果的に配置し、メッセージを視覚的に伝えましょう。

5. 全体の最終調整をおこなう

プレゼンテーションボードを作成していると、レイアウトのズレや追加すべき項目が出てくることでしょう。そのため、最後に全体のレイアウトを再確認して、情報が過不足なく配置されているかをチェックしましょう。
プレゼンテーションボード全体のバランスを見ながら整えて仕上げることが重要です。

建築プレゼンテーションボードを作る際のポイント

ここでは、建築プレゼンテーションボードを作成する際のポイントを紹介します。

結論ファーストを意識する

PREP法を用いて、文章のはじめに結論を伝えましょう。
話の結論はユーザーやクライアントが最も知りたい情報のため、先頭に持っていくことで話をわかりやすく伝えられます。
一目でわかる要点を掲示して、その後に補足説明を加えることで情報の流れがスムーズになります。

スライドサイズを事前に確認する

スライドサイズが適切でないと、プレゼンテーションの際に表示が崩れたり、重要な情報が見えにくい可能性があります。その場合は、元データの再作成や再印刷が必要となるため、非常に手間がかかります。
構成作成の段階から、スライドサイズに間違いはないか、レイアウトが乱れていないかなどを事前に確認しておきましょう。

無駄な装飾やデザインを使わない

過剰な装飾やデザインの使用は、プレゼンテーションで伝えたいメッセージがぼやけてしまいかねません。
資料内では、装飾や枠線、デザインなどは統一するようにしましょう。無駄な装飾を排除することで、プレゼンテーションボード全体が見やすくなります。

フォントや文字サイズの統一

異なるフォントがスライド内に混じると、まとまりが無くなり内容を理解しにくいです。読み手が見やすくなるように、フォントや文字サイズも統一感を保ちましょう。統一することで、まとまりがあり、見栄えのある良い印象のスライドに仕上がります。

Zの法則を意識する

人の目は対象物の全体を把握する際、アルファベットの「Z」のように(左上→右上→左下→右下)の順番で目線を動かすといわれています。この目の導線を活用することで、プレゼンテーションボード上の情報を自然な流れで、説得力のある情報を伝えられます。

メインとなる素材を基準に補助線を引く

メイン素材を基準に補助線(グリッド)を引くことで、プレゼンテーションボード全体の統一感が生まれ、バランスの取れた仕上がりになります。
具体的には以下の手順です。

  1. メイン素材を選定して配置する
  2. メイン素材を基準に補助線を引く
  3. 他の素材を補助線に沿って配置する

補助線を引くことは、情報の位置関係を明確にすることにもつながります。

グラフは左側、説明は右側を徹底する

スライド作成の基本は「左にグラフ、右は説明」という配置です。ビジネスシーンにおいては、この法則で資料が作成されているため配置を徹底しましょう。これによりクライアントやユーザーは見やすくなり、情報の処理も素早く行えるでしょう。

プレゼンテーションボード作成で参考になるサイト

ここでは、建築プレゼンテーションボード作成時におすすめの参考サイトを紹介します。

Pinterest(ピンタレスト)

Pinterest(ピンタレスト)は、WebサイトやSNSなどインターネット上に存在する画像や動画を探して、自分専用にコレクションやシェアできるサービスです。ピンタレスト内で公開されている画像や動画もあります。

実際に建築プレゼンテーションボードも掲載されているため、作成時の参考にしましょう。

ダイワハウスコンペティション

ダイワハウスコンペティションでは、受賞作品とその作品に対する審査員の評価を確認できます。作品の優秀な点や課題点などを知ることができるため、プレゼンテーションボードやデザイン作成の参考に役立つでしょう。

キルコス国際建築設計コンペティション

キルコス国際建築設計コンペティションは、プロ・アマチュア問わず参加できる国際建築設計コンペティションです。応募作品のプレゼンテーションボードと審査結果も見ることができます。
図面や建物のパースなど、さまざまなプレゼンテーションボードがあるため参考になるでしょう。

建築プレゼンテーションボードを作成するならSketchUpがおすすめ

SketchUpは直感的でシンプルな操作が特徴の3Dモデリングソフトです。
建築の立体的なイメージの作成や、3Dモデルから平面図・立面図の作成もできるため、プレゼンテーションボードを作成する上で、非常に有用なツールです。ぜひ一度、その便利さを体感してみてください。

SketchUpの機能について詳しくは、「SketchUpで3Dモデリング! 機能やおすすめポイント、導入方法などを解説!」で解説しています。

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まとめ

本記事では、建築プレゼンテーションボードの作り方やポイント、参考サイトを紹介しました。プレゼンテーションボードを作成する際には、作り方のポイントを踏まえた上で、第三者による意見に取り入れてみましょう。
自分では気がつかない視点や改善点を指摘してもらうことで、より完成度の高いプレゼンテーションボードを作成できます。
プレゼンテーションボードは、ユーザーやクライアントにとってわかりやすい構成で作成することが重要です。まずは理想的な作品の模倣から始めて、徐々に自分らしいスタイルを見つけていくといいでしょう。

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