3D CADは難しい?導入前の懸念点とソフト選びに失敗しないポイントについて解説
一般的に3D CADは「操作が煩雑で覚えるのが大変」「コマンド(機能)が多すぎてよく分からない」といった苦手意識を感じる声が多く見受けられます。そういった理由から、建築や製造業などの現場で3D CADの本格的な運用が進められていない企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、3D CADを導入する際に感じる懸念点と、運用していく中で失敗しない3D CADソフト選びのポイントについて解説します。
目次
3D CADとは
3D CADとは、コンピュータを使用して物や構造物を三次元的に設計、モデリングを行うためのソフトウェアのことです。3D CADはおもに製造業や建築業、エンジニアリングなど、さまざまな分野で利用されています。
たとえば、自動車の設計や建築物のデザインなど多岐にわたる用途があります。
3D CADに関して詳細は「3D CADとは?利用するメリットやその種類、モデリング方法について解説」で解説しています。
3D CADが難しいと言われている主な理由
ここでは、3D CADが難しいと言われている理由を4つ紹介します。
操作が難しい
3D CADは、特に初心者は簡単に操作できないことが多く、初めのうちは難しいと感じてしまうでしょう。3D空間での視点の切り替えやオブジェクトの回転、ズームイン・アウトなど、基本操作においても習得するのに時間がかかると言われています。
また、使用する3D CADソフトによって操作方法が異なるため、ソフトを使いこなすにもある程度の時間と労力が必要になります。
コマンド(機能)が多い
3D CADソフトは多機能なツールであるため、それぞれのコマンド機能を理解して使うことが求められます。たとえば、描画コマンド、編集、変形、レンダリング、アニメーションなどがあり、これらのコマンドを覚えるだけでも一苦労です。3D CADのコマンド機能の多さは、複雑な操作が増す一因であり、初心者が挫折しやすいポイントの1つになっています。
製図の基礎知識が必要
製図とは、物体の形状や寸法を正確に表現するための技術であり、この製図の理解が足りていないと3D CADでの設計を難しく感じることがあります。製図の基礎知識を把握することで、寸法の自動生成や断面図の作成といった基本操作から3D CADソフトの機能を最大限に活用できるようになるでしょう。
2D CADから3D CADへの変換が上手くいかない
2Dから3Dへの変換は、多くの企業や設計担当者が直面する課題の1つです。これには2Dから3Dへの変換ツールやプラグインの活用、3D CADの操作を習得するためのトレーニング、変換プロセスの標準化を図ることが解決につながるでしょう。
3D CADソフトの導入で失敗しないためのポイント
3D CADの導入で失敗しないための具体的なポイントを3つ解説します。
導入事例やレビューを確認する
まず、検討している3D CADソフトの導入事例や利用ユーザーのレビューを確認しましょう。実際に使用している企業や設計者の意見を参考にすることで、3D CADソフトの利点や使用感を把握することができます。特に、自社と同じ業界や同じ規模で競合にあたる企業の事例を探すと、より具体的なイメージがつかめるでしょう。
また、ソフトやツールの口コミレビューが書かれている比較サイトやよくある質問、その他SNSなどを活用し、ソフトを導入しているユーザーの意見を収集することも失敗しないポイントの1つです。公式サイトだけでは分からないリアルな評価や問題点を知ることができます。その中でも長期にわたって3D CADソフトを使用しているユーザーによるレビューは、貴重な情報源となるでしょう。
さらに、導入事例を確認する際には、どのような課題を解決でき、どのような効果が得られたのかといった具体的な成果にも注目しましょう。そうすることで、自社での導入後への期待効果をより明確にイメージすることができます。
価格や機能、サポート体制を確認する
3D CADソフトを選ぶ際には、価格、機能、そしてサポート体制をしっかりと確認することが重要です。
まず価格についてです。3D CADソフトは無料のものから有料で高額なものまで幅広くあります。自社の予算に合ったソフトを選ぶことが大切ですが、導入時の初期費用だけでなく、ライセンス更新や追加機能のコストも考慮しておきましょう。
次に、機能についてです。3D CADソフトにはさまざまな機能がありますが、全ての機能が自社に必要とは限りません。自社で扱う業務や製品・サービスに必要な機能を洗い出し、それに合致する、また追加可能な機能なども整理し、導入すべき3D CADソフトを選びましょう。
さらに、ソフト導入後のサポートも重要なポイントです。ソフトが動作しなくなったなどのトラブルが発生した場合に迅速に対応してもらえるかどうかは、3D CADソフトを選定するうえで大きな決め手となります。
体験版があるか確認する
3D CADソフトを選ぶ際に、体験版が提供されているかどうかを確認することは非常に重要です。体験版を利用することで、実際のソフトの操作感や機能を試すことができ、導入後のギャップを減らせるでしょう。
初めて3D CADを作成する場合や他のソフトから乗り換える場合には、まず体験版を利用し、自社に適しているかどうかを確認することをおすすめします。
3D CADが難しいと感じるならシンプルな操作で使いやすい「SketchUp」がおすすめ
3D CADを使ったモデリングが難しい場合は、3Dモデリングソフト「SketchUp」がおすすめです。SketchUpは、直観的な操作感とシンプルなインターフェスとして知られており、初めて3Dモデリングソフトに触れる方にも簡単で馴染みやすいでしょう。
また、SketchUpはプロ・アマチュア問わず幅広いユーザー層に支持されています。3Dモデルの作成をしたいなら、まずはSketchUpをお試しください。
SketchUpの機能については、「SketchUp 機能紹介 3Dモデリング|株式会社アルファコックス公式サイト」を参考にしてください。
導入時の課題を把握した上で3D CADソフトを選ぼう
3D CADの導入を成功させるには、考慮すべき課題を前もって把握しておくことが重要です。そのうえで、3D CADソフトの選定時にソフト導入にかかる費用や使える機能、導入後のサポート体制など総合的な判断をするようにしましょう。
ソフトを導入する前に複数のソフトの比較検討を行い、自社のニーズや業務に適したものを選ぶことが大切です。これにより、導入後のトラブルを最小限に抑え、スムーズな運用を実現することができます。
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