ポリゴンモデリングとは?スカルプトとの違いやポリゴンモデルのメリット・デメリットなどを解説

3Dモデルを作成するデザイナーにとって、ポリゴンモデリングの知識を持っておくことは欠かせません。ポリゴンを組み合わせて形作るポリゴンモデリングで、単純なモデルから複雑なモデルまで、幅広いモデリングが行えます。本記事では、ポリゴンモデリングとは何なのか、スカルプトとの違いやポリゴンモデリングの用途、メリット・デメリットなどを解説します。



ポリゴンモデルとは

ポリゴンモデルとは、ポリゴンと呼ばれる多角形を組み合わせることで構築される3Dモデルです。

ポリゴンは、点(頂点)と線(エッジ)で構成され、平面や曲面を表現します。シンプルな立方体から複雑なキャラクターまで、さまざまな形状を作り出すことが可能です。たとえば、建物や自動車、機械などのモデリング方法として活用されています。

ローポリゴンとハイポリゴンの違い

ポリゴンモデルは、ローポリゴンとハイポリゴンという2種類のポリゴンモデルに分類できます。簡単に表現すれば、ローポリゴンは低解像度、ハイポリゴンは高解像度ポリゴンのことです。

ローポリゴンは少ないポリゴン数で構成されるため、処理が軽いことが特徴のひとつです。たとえば、ゲームやVR/ARなどのインタラクティブ性が求められるモデルに適しています。

一方、ハイポリゴンは多くのポリゴン数で構成されるため、データ処理は膨大になりますが、精細で滑らかな描写ができます。たとえば、映画や建築パースなどの高精度な表現が必要なケースで多く用いられます。

ポリゴンモデリングとスカルプトの違いとは

ポリゴンモデリングと比較されるものに、スカルプトモデリングがあります。両者は、3Dモデルを作成する代表的な手法です。

ポリゴンモデリングは上述したように、頂点、エッジを面で張り合わせることで形状を作り上げていく手法です。簡単なモデルから複雑で精密な設計図に基づいたモデル作成などに適しています。正確性や再現性が求められるシーンで多く用いられます。

一方、スカルプトモデリングは、粘土をこねるようにモデルを形成していきます。そもそもスカルプトは「彫刻する」という意味を持つ言葉です。3Dモデルを直感的に造形していく手法で、自由度の高いデザインに適しています。たとえば、リアルなキャラクターや生物などの複雑な形状のもの、顔の小じわや毛穴といったような細かな部分まで立体的に表現したい場合に適しています。

ポリゴンモデルの用途

ポリゴンモデルは、さまざまな分野で幅広く使われています。ここでは、ゲーム、アニメ、建築での用途についてみていきましょう。

ゲーム業界

ゲーム業界では、キャラクターや背景、アイテムなど、ゲーム内のあらゆる3Dオブジェクトにポリゴンモデルが使用されています。

特に、インタラクティブ性の高い3Dゲームでは、リアルタイムのレンダリングが求められるため、ローポリゴンモデルが一般的です。ローポリゴンモデルを使用することで、ゲームのパフォーマンスが向上し、プレイヤーの没入感を高められます。

アニメ業界

アニメ業界では、キャラクターや背景、小物などにポリゴンモデルが使用され、よりリアルな表現を行うためにハイポリゴンモデルを使う作品も増えています。

アニメーションや静止画の制作では、精細なディテールや滑らかな表現が求められるため、ハイポリゴンによって高品質な映像作品が生み出されます。

建築業界

建築業界では、建物やインテリアのデザインにポリゴンモデルが活用されます。建物の外観や内装を3Dのリアルなモデルとして表現することが可能です。

設計図だけでは確認や共有が難しい部分も多いものです。しかし、3Dモデルを作成して可視化すれば、発注者や施工者といった関係者と具体的なイメージを共有できるため、設計段階での見落としが減り、確認も早くなります。これにより、設計の手戻りを防ぎ、迅速化され、工期短縮につながります。その結果、省力化効率化が実現されてコスト削減にもつながるのです。

建築業界での3Dモデリング活用については、「3Dモデリングは建築業界で活用されている!メリットや活用例、3Dモデリングソフトの選定ポイントを解説」の記事で紹介しております。

ポリゴンモデルのメリット、デメリット

ポリゴンモデリングはさまざまな業界で広く使われていますが、メリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれを詳しく見ていきましょう。

メリット

汎用性の高さは、ポリゴンモデル最大のメリットです。

コンピューターはポリゴン処理に最適化されたものが多いため、簡単にレンダリングできます。これは、ゲームやアニメ、建築などで活用できるものです。また、自由度が高いため、幅広い形状を表現することができます。さらに、ポリゴン数は自由に調整できるため、データ量の調整も可能です。

たとえば、ゲームのようにリアルタイム性が求められる場合は、ポリゴン数を減らすことでデータ量を抑えて処理を軽くし、滑らかな動きを表現できます。

デメリット

高精度な表現を行うモデルを作るためには多くのポリゴンが必要となるため、データ量が大きくなります。つまり、コンピューターのメモリ使用量が多くなったり、処理速度が遅くなったりするなどの問題が発生する可能性があるということです。

また、複雑な形状のモデルを作るのは難易度が高いこともデメリットです。簡易的な形状ならば初心者でも簡単にモデリングできますが、有機的な形状や複雑な構造を持つモデルを作成するには、高度な技術と経験が必要です。

3DモデリングにおすすめのSketchUp

ポリゴンモデリングを行うならば、直感的な操作でスムーズに利用できるSketchUpがおすすめです。操作性の良さはもちろん、何のツールなのかがひと目で理解できるほど、わかりやすいアイコンで機能が表現されています。

SketchUpはモデリングする際に、曲線のセグメント数を調整することでローポリゴン化やハイポリゴン化することができます。複雑なモデルを、できるだけ形状を保ったままローポリゴン化するには、Skimpを利用するのが便利です。

ポリゴンをローポリゴン化するプラグインソフト「Skimp」



SketchUpのプラグインとして利用できる「Skimp」は、ポリゴンで作成したモデルをローポリゴン化できるソフトです。

できるだけ形状を保ちながら、ポリゴン数を削減することでデータ量を減らすことができます。SketchUpのグループまたはコンポーネントを任意の数を選択して、ローポリゴン化が可能です。ローポリゴン化をする際には、レビューを見ながら形状を整えることができます。



また、ポリゴンとポリゴンの頂点間の距離を指定してポリゴンを節減することも可能です。



SketchUpのプラグインソフト Skimpの機能については、こちらをご覧ください。また、SketchUpについては、「SketchUpで3Dモデリング!機能やおすすめポイント、導入方法などを解説!」で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

Skimpの詳細はこちら

ポリゴンモデリングの特徴を生かして、自在にモデルを作成しよう!

ポリゴンモデリングは3Dモデリングにおいて重要な技術で、低解像度のローポリゴンと高解像度のハイポリゴンに分けることができます。データ量を軽量化したい場合はローポリゴンを利用し、コンピューターでの処理を軽くすることも可能です。ポリゴンモデリングはさまざまな用途に活用されていますので、その機能や特徴を生かして3Dモデリングを行ってみましょう。

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