プリレンダリングとは?リアルタイムレンダリングとの違いやメリット、活用シーンを紹介



建築業界の設計者や画像・映像のクリエイターなど、3Dモデリングを業務で行う方にとってレンダリングの知識は欠かせません。代表的なものとして、プリレンダリングとリアルタイムレンダリングがあります。これから3Dモデリングを行う方にとって、プリレンダリングは基礎的な技術です。本記事では、プリレンダリングとは何か、利用するメリットや活用シーンを解説します。
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プリレンダリングとは?

プリレンダリング(pre-rendering)とは、アニメーションや動画などのCGを事前にレンダリングすることです。プリレンダーやオフラインレンダリングとも呼ばれます。
ところで、アニメーションや動画で使われる3DCGは、3Dモデリングソフトなどで作られます。ソフトの中で作られた3Dモデルは、そのソフトの中でしか表示ができません。アニメーションを作っても、レンダリングをしていないものは他の機器の画面でみることができないということです。
しかしプリレンダリングをすることで、スマホやタブレット、ゲーム機などの画面に表示できるようになります。プリレンダリングは、アニメーションや動画作成には欠かせない処理です。

リアルタイムレンダリングとの違い

レンダリングにはプリレンダリングの他に、リアルタイムレンダリングがあります。
リアルタイムレンダリングとは、コンテンツを実際の画面に表示するための計算処理を高速に行い、その場その場での臨機応変なレンダリングを可能にする仕組みのことです。リアルタイムレンダリングは、インタラクティブ性の高いコンテンツに利用されます。一方プリレンダリングの場合は、動画や静止画といったコンテンツにあらかじめレンダリング処理を施す方法のため、即時の変更には対応できません。
2つの違いを簡単にまとめると以下のようになります。

  • ● プリレンダリング……3Dモデリングソフト内で事前にレンダリングを行う
  • ● リアルタイムレンダリング……表示する機器で高速な計算を行い即時にレンダリングを行う

たとえば、CGアニメーションの映画にはプリレンダリングが利用され、ユーザーがキャラクターを操作するゲームや、ユーザーの動きに合わせて映像が変化するVRでは、リアルタイムレンダリングが活用されています。

リアルタイムレンダリングについては、「リアルタイムレンダリングとは?基本知識やメリット、活用事例を解説」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

プリレンダリングを利用するメリット

プリレンダリングは、CGアニメや映画をはじめとしたアニメーションに活用されています。リアルタイムレンダリングの方が使い勝手が良さそうですが、なぜプリレンダリングが使われているのでしょうか。
ここでは、プリレンダリングを利用するメリットをみていきましょう。

機器のスペックに依存しない

一般的には、プリレンダリングは3Dモデリングソフト内であらかじめレンダリングを行うため、機器のスペックに依存せずに活用できます。
たとえば、リアルタイムレンダリングを使う場合には、アニメーションなどを表示するスマホやタブレット、ゲーム機といった機器に、リアルタイムレンダリングを行うことが可能な高性能なスペックが要求されます。これは、ユーザーの操作に合わせて機器内でレンダリング処理をしなければならないためです。
しかし、プリレンダリングは事前にレンダリングを行ったアニメーションなので、機器のスペックにほとんど依存しないことが大きなメリットです。

クオリティの高い画質を追求できる

プリレンダリングは事前にレンダリングができるため、レンダリングに時間をかけることができます。リアルタイムレンダリングと比較して、ノイズが入りにくいというメリットがあります。
そのためレンダリングに時間はかかりますが、高いクオリティのアニメーションなどを作りたい場合にはプリレンダリングが活用されます。

プリレンダリングの注意点

作成する映像の複雑さや長さにもよりますが、プリレンダリングはレンダリングが完了するまでに数十分から数時間、長ければ数日かかることもあります。
時間をかけることが可能な作業であれば問題はないかもしれません。しかし、ゲーム内でユーザーがキャラクターを操作するようなインタラクティブ性の高い動きの場合は、レンダリングに時間をかけることはできません。キャラクターが一歩歩く度に数十分待たなければならないような事態になってしまうためです。
プリレンダリングとリアルタイムレンダリングは、作成するものによって使い分ける必要があります。

プリレンダリングの活用シーン

プリレンダリングは、私たちが目にする多くのものに使われています。ここでは、プリレンダリングの活用シーンをみていきましょう。

映画

CGを使った映画はもちろん、実写映画で活用されるのはプリレンダリングです。映画はインタラクティブ性を求められることも少なく、映像の美しさを重視するコンテンツなので、基本的にはほとんどがプリレンダリングで作成されています。

ゲームのムービー

プレーヤーのコントローラー操作によるコミュニケーションが求められるゲームでもプリレンダリングは活用されています。
ゲームのオープニングムービーやストーリーに関わる映像の多くは事前に用意したものをゲーム内で再生するため、プリレンダリングを用いたクオリティの高い画質で作成されます。

建築物などのプレゼンテーション資料

建築物のプレゼンテーション資料にもプリレンダリングが活用できます。
光や陰影、質感などのテクスチャを貼り付けた3Dモデルをプリレンダリングして、フォトリアルなCGを作成したり、建築物の施工の様子や建物内部を歩く視点のアニメーションを作成すれば、臨場感や没入感のある資料が作成できます。
また、パソコンやテレビ画面、スマホやタブレットへ共有することも可能です。
建築プレゼンボードについて詳細は、「建築 プレゼンボード」の記事で解説してます。

プリレンダリングなら「SU Podium」

プリレンダリングをすれば、クオリティの高いフォトリアルなCGを作成できます。建築分野では内装や外観のパースを描くとき、高品質な解像度のテクスチャを適用することでクオリティの高いパースの作成が可能です。
ここでおすすめなのがSketchUpとあわせて使える「SU Podium」です。SU PodiumはCPUレンダリングを採用したレンダラーです(レンダリングスピードはお使いのPCに搭載のCPUの性能に依存します)。SU Podiumでは、専用の高品質・高解像度のテクスチャライブラリや3つのタイプの光源などが提供されています。
たとえば、エクステリア用の照明には「天空光」「日光」「HDRI/IBL照明」の3つの光源が利用可能です。
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パノラマレンダリング機能を活用すれば、インタラクティブな360°のパノラマプレゼンテーションが作成できます。

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プリレンダリングの特徴をおさえて適切なシーンで利用しよう!

プリレンダリングは、CGを使ったアニメーションや映画、ゲームなどに広く活用されています。表示する機器のスペックに依存しない、よりフォトリアルで高品質な画を作成できる技術です。3Dモデルを作ってレンダリングを行う際には、プリレンダリングとリアルタイムレンダリングのどちらが適しているのかを判断して活用すると良いでしょう。

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