3DCGとは?その活用シーン、ソフトの選び方について解説
3DCGは映画やゲーム、建築など広い業界で活用されています。これから映像や設計などに3DCGを導入しようという方もいらっしゃるでしょう。3DCGを利用するには基礎知識や、制作するためのソフトなどが必要です。本記事では3DCGについて説明するとともに、活用シーン、ソフトの選び方などについて解説します。
目次
3DCGとは
3DCGとは「3 Dimensional Computer Graphics」の略称で、3次元の立体を描画するコンピューターグラフィックスの手法の一つです。
2DCGは、縦・横の軸で表現されるコンピューターグラフィックスであるのに対し、3DCGは縦(X軸)・横(Y軸)・奥行き(Z軸)の3方向の軸で立体的な物体を表現します。一般的には、3DCGソフトウェアを使用して制作します。
ソフトウェアを使用することで、形状や材質、視点(カメラの位置)や光源などを設定して、よりリアルな3次元の物体や建物が表現可能です。主に、映像やアニメーション、建築などの業界に利用されています。
3DCGの具体的な制作方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
3DCGの活用シーン
3DCGは需要が拡大しており、さまざまな分野で利用されています。ここでは、3DCGの主な活用シーンをみていきましょう。
アニメーション
アニメ業界は約30年以上前から3DCGが使われている業界で、近年では特にその活用が増えています。アニメの一部に3DCGを使う場合もあれば、全編を3DCGで制作しているアニメも増えています。
3DCGで制作されたアニメは、キャラクターや建物が立体的で画角の調整が容易です。従来の、平面に描いた絵をコマ送りにして制作される技法ですと、画角を変更したくなった場合、何十枚何百枚といった絵を描き直さなければなりません。3DCGを活用することで、そういった修正の手間を軽減できます。
映画
映画業界でもアニメと同じように、古くから3DCGは使われていますが、近年ではさらに活用の幅が広がっているようです。
従来ならば大掛かりなセットを組んだり、実際の街を使ったりして広い撮影場所を必要としていたシーンなども、3DCGを使用することでモニターの中に再現できるようになりました。また、3DCGで再現することで手間やコストも削減できます。SF映画など、現実の世界では表現が難しい映画でも、リアリティのある映像を作り出せるのが3DCGです。
ゲーム
近年のゲームでは、3DCGが欠かせない技術となっています。臨場感と没入感を演出するために、キャラクターはもちろん、ゲーム内の世界にも3DCGを利用して現実に近い、立体的な空間を表現しているのです。
たとえば、オンラインゲームなどのインタラクティブ性が求められるゲームでは、リアルタイムレンダリングで3DCGの映像を出力します。これにより、コントローラー操作に合わせて、陰影や人物の動き・天候などの物理的な演算がリアルタイムに行われるため、より現実世界に近い映像でゲームを体験することが可能です。
VRやARコンテンツ
VRやARの仮想空間を体験するコンテンツにも3DCGは不可欠です。VRでは、ユーザーが仮想空間を現実のように体験するために、臨場感と没入感が必要です。ARは、画面を通して現実とデジタルデータが融合するにあたり、現実空間と整合性のとれたコンテンツを表示させることで、より没入感が増します。
3DCGは、よりリアルな世界観やオブジェクトの表示を実現できるため、VRやARのコンテンツを制作する際にはなくてはならない技術だといえます。
VRやARについては、「VRとは?仕組みや活用シーンなどをわかりやすく解説」や「ARとは?仕組みや種類、活用シーンなどをわかりやすく解説」にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
製造
3DCGが活用されるのは、エンタテインメントの分野だけではありません。製造業においては、3DCGで製品のデザインや製造工程のシミュレーションを行っています。
たとえば、製品のアイデアを描くデザイナーは、3DCGを使って製品の形状や色などの細部までをデザインします。3DCGでリアリティのある製品を描くことで、完成イメージなどを効率的に共有できるためです。また、3DCGで製品の製造工程をシミュレーションすれば、製造過程にどのような問題があるかをいち早く気づくことができます。
3D設計について詳細は、「3D設計とは?活用することのメリットも紹介!」で解説しています。
建築
建築業界では、設計段階から3DCGが活用されています。3DCGを利用して設計することで、建物のスケール感を現実と同じように表現して第三者に伝えられるためです。
たとえば、外観や内装のパースを3DCGで作れば、発注者と細かい部分まで共有できるため、詳細なフィードバックも得られます。また施工関係者においても、干渉チェックやシミュレーション解析ができることによって、工数を減らすこともでき、費用削減が期待できます。
建築パースについて詳細は、「建築パースとは?その役割や作成方法について解説!」で解説しています。
参考:3DCGとは?その仕組みと活用シーンやおすすめソフトを紹介! | メタバース相談室
3DCGソフトの選び方
3DCGを制作するソフトは、さまざまなメーカーが提供しています。ここでは、3DCGソフトの選び方をみていきましょう。
制作目的で選ぶ
3DCGを制作する目的によって、ソフトウェアを選定すると良いでしょう。
さまざまなソフトウェアと連携できて多機能なものや、スカルプティングに特化したソフトウェアなどの選択肢があります。たとえば、アニメーションを制作するならば、アニメーションに使う機能が豊富なソフトウェア、映画を制作するならば高度なシミュレーション機能に特化しているソフトウェア、コストをおさえたい場合は無料のソフトウェアを選択することなどが考えられます。
製品の特徴や強みで選ぶ
3DCGを制作できるソフトウェアには、製品ごとにそれぞれの強みを持っています。
たとえば、キャラクターの3Dモデリングを行う際など、造形を優先する場合にはモデリングやスカルプト機能に強いソフトウェアを選びましょう。キャラクターに動きをつけたい場合は、アニメーション機能に強い3DCGソフトウェアを選択します。また、リアルにモデリングしたい場合は、テクスチャやペインティング機能を重視するとよいでしょう。
各製品の特徴を確認して、強みで製品を選ぶことも重要です。
よく使われているソフトを選ぶ
3DCGを制作するソフトウェアの中でも、メジャーな製品を選ぶことで、インターネットなどで多くの情報を得られます。海外の製品であっても日本語のサポートやレビュー、参考書などがある有名なソフトウェアのほうが使いやすいでしょう。
たとえば、SketchUpはアメリカのTrimble社が開発した3Dモデリングソフトウェアですが、日本語でも提供されています。直感的に使えることはもちろん、仮に操作がわからないという場面でも、検索すれば日本語で情報を得られるため安心です。
SketchUpについては、「SketchUpで3Dモデリング!機能やおすすめポイント、導入方法などを解説!」もあわせてご覧ください。
3DCGの活用目的を明確にしてソフトを選定しよう!
今やあらゆる業界で利用されている3DCG。ゲームや映画、建築などのクリエイターにとって、その知識や技術の習得が求められるようになっています。3DCGの制作方法がわかれば、制作の全体像がイメージできるようになるでしょう。これから3DCGのソフトウェアを選択する方は、制作物に合わせて、その分野の強みを持つ、あるいは使いたい機能を搭載しているソフトウェアを選定するようにしましょう。
参考:
3DCG制作会社の選び方と特徴 | おすすめ11選 – AVR Japan
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