3Dモデリングに最適なノートパソコンとは?重視すべきスペックと選び方を解説

3Dモデリング用のノートパソコンを選び方

3Dモデリング制作をスムーズに行うためには、制作の用途や作業内容にあったパソコンを用意しましょう。3Dモデリングを行うならデスクトップPCを選ぶのが理想ですが、適切なスペックや機能が備わったノートパソコンであれば、快適に3Dモデリングを行うことが可能です。
本記事では、3Dモデリングに最適なノートパソコンを選ぶためのポイントや必要なスペックについて詳しく解説していきます。

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3Dモデリング用のノートパソコンで重視すべきスペックとは

ここでは、3Dモデリングを制作するうえで重視すべきノートパソコンのスペックについて解説していきます。

CPU(Central Processing Unit)

CPU(Central Processing Unit)は、ノートパソコンの「頭脳」とも言える部分で、3Dモデリングソフトのパフォーマンスに直結します。高性能なCPUは、複雑な計算やレンダリングを迅速に処理するために必要不可欠なスペックです。
CPUの処理能力の例として、複雑な3Dモデルの作成や作成段階でリアルタイムプレビューがスムーズに行えることが挙げられます。
CPUは、Intel Core i7以上、またはAMD Ryzen 7以上のプロセッサを搭載したコア数が多いモデルを選ぶと良いでしょう。

メモリ(RAM)

メモリ(RAM)は、プログラムの処理速度に関わる部分であり、メモリ容量が多いほど同時に処理できるデータ量が増え、作業がスムーズに進みます。
大規模なプロジェクトや高解像度のモデルを扱う場合は、32GBのメモリを搭載したノートパソコンを選びましょう。ただし、メモリは作業内容や使用するソフトに応じて増設することも可能です。
より細かくて複雑な用途や複数のソフトウェアを同時に使用する目的がある場合は、将来的な観点から、最大128GBまで選択できるものを選ぶことが賢明です。

GPU(グラフィックボード)

GPU(グラフィックボード)は、映像をディスプレイに映し出す機能です。特に、リアルタイムでのプレビューで視覚的なフィードバックが求められる場合は、高性能なGPUが必要になります。
3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際は、NVIDIAのGeForce RTXシリーズなど高性能のGPUを搭載したモデルを選ぶことをおすすめします。これらのGPUは、CUDAコアやレイトレーシング機能を備えており、レンダリング速度や品質を大幅に向上させます。
また、GPUにおいてもメモリ容量を確認しましょう。最低でも4GBのVRAM(ビデオメモリ)を持つGPUが推奨されますが、8GB以上のVRAMを持つモデルであれば、より快適に作業を進めることができるでしょう。

ストレージ

3Dモデルのファイルは非常に大きくなる傾向にあります。また、ソフトウェア自体も容量を多く必要とするため、ストレージは十分な容量が求められます。

ストレージの種類は、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を選ぶことをおすすめします。SSDはHDD(ハード・ディスク・ドライブ)に比べて読み書き速度が高速で、ソフトウェアの起動やファイルの読み込みが迅速に行えるため、作業効率が格段に向上します。特に、建物などの大規模な3Dモデルや空間デザインの場合は、SSDの高速性は大きなメリットとなるでしょう。

ストレージの容量は、最低でも512GBのSSDを搭載したモデルを選びましょう。また、1TB以上の容量を持つSSDを選ぶと、より多くのファイルやリソースを保存でき、ストレージ不足に悩まされることが少なくなります。

ほかにも、外付けSSDやHDDを活用することでファイルやバックアップデータを効率的に管理できます。

3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際のポイント

ここでは、3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際のポイントについて解説します。

用途、作業にあわせて決める

3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際には、自分がどのような用途や作業を行うのかを明確にすることが重要です。

例えば、建築設計の場合は、建築物のモデルや高解像度のレンダリングが必要となるため、高性能なCPUやGPUが求められます。一方で、製品デザインなどでは、細かいモデリングが重要となるため、精度の高いディスプレイや十分なメモリ容量が必要になります。

利用するソフトに合わせて決める

利用するソフトに合わせたノートパソコンのスペックを決めることも重要です。
例えば、3Dモデリングソフトとして、AutodeskのMayaや3ds Max、その他Blender、ZBrush、SketchUpなどが代表的なソフトとして挙げられます。

Mayaや3ds Maxは、非常に高い処理能力を要求するため、高性能なCPUとGPUが必要です。特に、リアルタイムレンダリングや複雑なアニメーションを行う場合は、NVIDIAのGeForce RTXシリーズやAMDのRadeonシリーズなどの高性能なGPUが推奨されます。これらのソフトウェアは大量のメモリを消費するため、32GB以上のメモリを搭載したノートパソコンを選ぶと良いでしょう。

一方、Blenderは比較的軽量なソフトウェアですが、高解像度のレンダリングや複雑なシミュレーションを行う場合は、解像度が高いディスプレイ機能を搭載したノートパソコンが求められます。GeForce RTX4050を内蔵したノートパソコンを選びましょう。

ZBrushは、特にスカルプティングに特化したソフトウェアで、CPUの性能が非常に重要です。また、ディスプレイの解像度も重要で、細かいディテールを確認するために4Kディスプレイを搭載したノートパソコンが理想的です。

SketchUpは、比較的軽量な3Dモデリングソフトですが、メモリは最低でも8GB以上、ストレージは256GB SSD 以上のノートパソコンを推奨しています。
SketchUpでモデリングや設計作業で快適な操作を行うには視認性が高いディスプレイ、複雑なレンダリング作業には専用GPUを搭載していると良いでしょう。

3Dモデリングに利用するPCの選定ポイントについては「3Dモデリングに必要なPCスペックとは?スペックの見方や選定ポイント、選ぶ際の注意点を解説」の記事でも解説しています。

WindowsとMacのノートパソコンだとどちらが良い?

ここでは、3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際に、WindowsとMacのどちらが良いのか、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

Windowsのメリットとデメリット

【メリット】

・多様なハードウェアオプション
Windowsは、ハードウェアオプションの対応が幅広くあり、自分に最適な構成を選べます。そのため、プロジェクトで要求される性能や機能を確保しやすいでしょう。また、Windowsは新しい技術が出てくるたびに、システムのアップグレードが可能なため、技術進化に対して柔軟に対応できます。

・コストパフォーマンスが良い
Windowsは同等のスペックを持つMacと比べて一般的にコストが低いです。さまざまなメーカーからノートパソコンを選べるため、予算制限があるプロジェクトの場合などは、予算に応じた最適なノートパソコンを選択できます。

【デメリット】

・セキュリティリスクがある
Windowsはウイルスやマルウェアといったサイバー攻撃のターゲットになりやすいため、適切なセキュリティ対策を行う必要があります。定期的なセキュリティアップデートやウイルス対策ソフトの導入は必要不可欠です。

・動作システムが不安定になる場合がある
Windowsは多様なハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、動作システムが不安定になる場合があります。互換性の問題やドライバの不具合などで、プロジェクトの進行に支障をきたしたり、データを損失したりする可能性もあるため、バックアップは適切なタイミングで行いましょう。

Macのメリットとデメリット

【メリット】

・洗練された高いデザイン性
Apple製品は、デザイン性が高く、品質も非常に優れています。Macというブランドイメージは強く、特にデザインを重視する業界においてはプレゼンテーションや会議の場でクライアントへの好印象を与えやすいでしょう。

・動作システムの安定性
Mac OSはハードウェアとソフトウェアが統合されているので動作に安定性があります。長時間にわたる複雑な作業や大規模なファイルを扱う際には、その効果が顕著に表れます。システムの不具合なども少ないため、技術的なトラブルによる遅延リスクは軽減されるでしょう。

【デメリット】

・ハードウェアの選択肢が少ない
Apple製品は、美しいデザインと高品質なものとして知られていますが、その多くはアップグレードが難しかったり不可能だったりします。要求が増えるプロジェクトにおいて、例えばCPUやメモリやストレージなどの容量を上げたい場合など、新しいものを購入せざるを得なければならず、カスタマイズの柔軟性がない点が挙げられます。

・価格が高い
Macは機能性とデザイン性においてメリットが多数ありますが、価格に関しては同じ性能を持つWindowsと比べて高額です。特にプロフェッショナルな用途が必要な場合は、Windowsと比べてコストバランスが見合わないでしょう。

ここまでWindowsとMacのメリットとデメリットを紹介しましたが、3Dモデリングソフトは、どちらも対応しているものが多いです。ただし、一部OSによって対応していないソフトもあります。コストやカスタマイズ性、3Dモデリング以外の用途も踏まえたうえで、どちらにするのか選択しましょう。

まとめ・作業内容にあわせて3Dモデリングに最適なノートパソコンを選ぼう

ノートパソコンはデスクトップPCと違い、購入後のパーツ交換が難しい製品です。メモリやストレージなどを交換したり増設できたりすることもありますが、GPUは交換が不可能な場合が多いでしょう。そのため、3Dモデリング用のノートパソコンを選ぶ際には、作業内容や利用するソフトに応じて必要なスペックを見極めましょう。このことでスムーズな作業が可能になり、より高品質な3Dモデリングを作り出すことができます。

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