3D設計とは?活用することのメリットも紹介!
3Dモデルがさまざまな業界に広がる中、3D設計の知識や技術、3D設計ができる環境の導入は重要なものとなりました。3次元モデルを活用した設計技術を習得することで、多くのメリットも享受できるでしょう。本記事では、3D設計とは何か、そのメリットや活用されている業界などを解説します。
目次
3D設計とは
3D設計とは、3D CADや3Dモデリングソフトなどを用いて、3次元での設計を行うことです。
平面図を作成する2Dの設計とは異なり、高さ・幅・奥行きを持たせた立体的な設計図を作成します。近年では、3Dモデルの活用がさまざまな分野で広がるにともない、3D設計の導入も増えています。
3D設計をするメリット
3D設計を活用することにはさまざまなメリットがあります。ここでは、主な4つのメリットをみていきましょう。
視覚的にわかりやすい設計ができる
3D設計は、2Dの平面図と比べて視覚的にわかりやすい設計が可能です。それは、設計者にとっても、設計図を見る側にとってもメリットです。
立体的な製品や部品などを、さまざまな角度から確認できるため、完成後のデザインやイメージのズレを設計段階で詳細にレビューできます。
複雑なデザインも設計できる
3D設計は、多くのデザインパターンで設計ができます。
縦、横だけではなく、奥行きを加えた3次元の立体物を作成できるため、リアルに近い形状を表現できます。また、対応ソフトを使用した場合は、パラメトリックデザインという、パラメーター(変数)を基準として寸法を決める形状作成方法を使って、複雑な3D曲線面のデザインパターンを生み出すことも可能です。
たとえば、自動車のボディなどを設計する場合には、3D設計を使うと形状が視覚的にイメージしやすいでしょう。建築業や製造業では、建築物や製品の複雑な形状を設計できる3D設計を活用することが多い傾向にあります。
内部情報を持たせることができる
3D CADでは、3Dモデルに質量や重心、体積や表面積、素材などの内部情報を持たせることができます。
これら内部情報があれば、耐久性やバランスなどの測定ができます。素材の情報を元に製造するためのコスト計算も可能です。3D設計ならば、3Dモデル自体に内部情報を持たせているため、体積や質量、表面積や重心などをまとめて計算することが可能で、設計作業が効率化されます。
詳細なシミュレーションができる
3D設計をすることで、仮想空間上で干渉チェックのシミュレーションを行うことも可能です。
図面上でいち早く不具合を発見できるため、柱同士がぶつかり合わないか、窓がどこかの壁に干渉することはないかなど、初期段階から良質な設計を見込むことが可能です。古い部品を新しい部品に取り換える際に、取り付け器具がマッチするのか、取り付ける際に作業できる空間は確保できているかなどをチェックする際にも役立ちます。
また、あらかじめシミュレーションの段階でトラブルの回避が期待できるため、実際に建築・製造過程での手戻りが少なくなります。
3D設計が活用される業界
3D設計が活用される業界は増えており、ゲームやアニメ業界をはじめ、自動車メーカー、造船業、建築・建設業や土木業などで役立てられています。
たとえば建設業では、建設DXとして3D設計などのデジタル技術を取り入れることで、労働環境の改善に役立てようとする取り組みが多く見られます。DXは国が推進している取り組みでもあります。
3D設計にはソフトウェア選びも重要
3D設計を行う場合は、ソフトウェア選びも重要です。
3D設計といえば3D CADを利用する人も多いでしょう。3D CADは多機能で、ハイエンドソフトからローエンドソフトまで揃っています。たとえば、ハイエンドならば高機能で、より複雑な形状の3Dモデルの設計が可能です。また、処理速度も高速で、設計を効率的に行えます。ただし、3D CADは高価なものが多いので、コストがかかることに注意しなければなりません。
これから3D設計をはじめるという人は、3D CADよりも安価で、必要な機能を搭載している3Dモデリングソフトを検討するのも手段のひとつです。
たとえば、操作性の良いソフトウェアという観点でソフトを選定しても良いでしょう。3D設計では、仮想空間でさまざまな角度から物を設計します。設計物を前後に移動させたり、回転させたりしながらチェックするため、スムーズに動かせることも大切です。
また、画面上に並ぶメニューやアイコンもわかりやすいものが良いでしょう。直感的な操作ができるソフトウェアは、3D設計の学習コストの削減も期待できます。
3D CADについては、「3D CADとは?利用するメリットやその種類、モデリング方法について解説」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
SketchUpで直感的に3D設計
3D設計を行うならば、直感的な操作でスムーズに利用できるSketchUpがおすすめです。
ソフトウェアを起動すれば、仮想空間が表示され、すぐに3D設計を開始できます。操作性はもちろん、機能がわかりやすいアイコンで表現されているため、使いたいツールを選択しやすいことも特徴のひとつです。
また、レンダリングをはじめさまざまな機能をプラグインで導入できるため、使いたい機能を追加して使うこともできます。
たとえばレンダリングソフトならば「V-Ray」や「SU Podium」などがプラグインとして利用できます。V-Rayは、リアルタイムレンダリングにも対応しているので、3D設計したモデルを効率的にビジュアライズできます。SU Podiumは、SketchUpで作成した面に適用したテクスチャに、Podiumマテリアルプロパティで透過や反射を設定することで、リアルなマテリアル表現をする機能などを備えています。
SketchUpについては、「SketchUpで3Dモデリング!機能やおすすめポイント、導入方法などを解説!」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
また、V-Rayについては「V-Rayとは?強みや価格などについて紹介」の記事で、SU Podiumについてはこちらにて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
3D設計のメリットを知ってワークフローに取り入れよう!
3D設計を取り入れることで、視覚的にわかりやすい設計図を作成できたり、設計図に詳細な内部情報を付与できたりと、さまざまなメリットがあります。また、設計者と発注者・工事関係者間での情報の共有や合意を効率的に進めることができ、作業工程を大幅に削減することが可能になります。このようなメリットのある3D設計を、ぜひワークフローに取り入れましょう。
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